センターで出会った女の子の話(3)
<Photo by Layali>
小頭症のHちゃんについて、今回で最後である。
前回の分を読んでいない場合は、以下のリンクより先に読んでください。
今回はお線香をあげに行った日のことを話したい。
💟お供え物
Hちゃんの家は思っていた以上にうちから遠くなかった。
その日はママさんに自転車で迎えに来てもらい、案内してもらった。
私は父方が仏教系の家族であるにも関わらず、線香をあげたこともない。
お葬式に出たこともないのだ。
私は生まれた時からムスリムだし、仏教にそんな興味を持ったこともないので、調べもしなかった。
この日ほど自分の無知を呪ったことはなかった。
ママさんと会う前に仏壇用の花を買いに行ったのだが、
普通の花では失礼なのではないか、どんな花がいいのか、試行錯誤しなら店員さんに、
私「亡くなった人のお花ってどんなのがいいですか?」
店員「はああ??」
しくった・・・。
なんでこんなちんぷんかんぷんなことを言ってしまったのか自分でも謎だった。
幸い外国人に見える容姿のおかげでお花屋さんは、
「お墓に供えるの?」
と聞き返してくれたので、そうですと答えたら可愛らしい花束を持ってきてくれた。
最後に店に出て行こうとしたら、
店員「お供え物も用意するといいね」
と言い放つので、「え?なにそれ?花とは別に何かあるの?!」と内心焦ったが、
「そうですね!」と言いながら何食わぬ顔で出た。
もちろん店を出てすぐお供え物とはとGoogleで調べた。
💟仏壇
家の中にはパパさんもいて、軽く挨拶した後、仏壇に案内していただいた。
今まで数えるほどしか仏壇を見たことがなかったが、
見たことがないタイプだった。
とても白くて、写真も可愛らしいお着物を着て、なんというか明るい印象の仏壇だった。
私は、ママさんにお供え物を渡した。
私が渡したのは私が一番気に入っていた「サマンサタバサのチャーム」だった。
お供え物は、その人が生前好きだったものを供えるらしいのだが、
恥ずかしいことに私はHちゃんがなにが好きだったか知らない。
だから、自分が一番好きなものを渡そうと思った。
ハートの形をしていて、キラキラしているので、私の気持ちを表しているようなものだ。
ママさんは最初恐縮していたが、断るのも失礼なのか、仏壇に置いてくれた。
私は初めてお線香を立て、正直泣きそうな気持ちだったが、
幸いご両親が明るく振舞ってくれたおかげで湿っぽくなるのを堪えることはできた。
私は仏教の祈り方を知らない。
だから親御さんに予め聞いた。
「私は異教徒なので、私が知っているやり方で祈っても良いですか?」
親御さんたちは快くOKしてくれた。
💟祈り
私は、Hちゃんのためにジャナーザの祈りを捧げた。
体がほぼ不自由だったHちゃんが今では天国で鳥になって自由に羽ばたいているだろうと思う。
だから、Hちゃんのために捧げた祈りは、
Hちゃんがまたご家族と一緒に暮らすことだった。
Hちゃんはきっとそばにいてほしいと望むので、
どうかその願いを聞き入れてほしいとアッラーに強くお願いした。
(どうかこれを読んでいる同胞のみなさんも同じDuaをお願いしたい。)
彼女の存在のおかげで、私は自分の息子がもっと愛おしいと思うことができるようになった。
もっと頑張ろうと思えるようになった。
私は彼女にとても感謝している。
Hちゃん、インシャーアッラー、私も天国に行けたら今度こそ一緒に遊ぼうね。
その後は親御さんから今までのHちゃんの話を詳しく聞いたりして楽しく談笑した。
Hちゃんの話は以上でおしまい。
最後に、私はHちゃんとお揃いが欲しいと思い、帰りにサマンサのお店に寄ったのだ。
全く同じ色ではないが、Hちゃんとお揃いのチャームを持つことで、見るたびに彼女を思い出せるようにしたいと思って買った。
Hちゃん、またね!!
それでは祝福された1日を!👋
ワ-アレイコムアッサラ-ム!
وعليكم السلام
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